20120328

「似たもの夫婦というが、睡眠については当てはまらないようだ」


Akiko Hida, Shingo Kitamura, Minori Enomoto, Kentaro Nozaki, Yoshiya Moriguchi, Masaru Echizenya, Hiroaki Kusanagi and Kazuo Mishima. "Individual Traits and Environmental Factors Influencing Sleep Timing: A Study of 225 Japanese Couples." Chronobiology International,  Vol. 29, Issue 2 , 220-226, doi:10.3109/07420528.2011.641045, March 2012.


<概 要>ヒトの睡眠習慣は、生物時計(生体リズム)、睡眠恒常性(必要睡眠量)、そして生活環境から受ける時刻情報や社会的干渉によって決定されるとされる。 これら複数の調整因子の作用強度は明らかになっておらず、ヒトでは社会的要因の影響が強いと考えられてきた。本研究では、個人の睡眠習慣(入眠覚醒時刻) を決定している要因を明らかにするために、平均17年間同居している夫婦225組を対象にそれぞれの睡眠状態、生物時計の特徴、生活環境要因とそれらの相 互関係を調査した。その結果、夫、妻ともに入眠・覚醒時刻にもっとも強力に影響していたのは自身の生物時計(クロノタイプ)であり、同居年数が長くなって も互いの睡眠習慣が近似してくることはなかった。ほかには、ベッドパートナーの覚醒時刻、夫の交代勤務、食事の同席回数などが弱いながらも影響していた。 夜型と朝型の夫婦の同居には工夫が必要かもしれない。

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